フシギにステキな素早いヤバさ

フシギにステキな素早いヤバさを追いかけて。俺は行くだろう。

ボカロクリティーク『 VOCALO CRITIQUE Vol.02 』のご紹介 その2

2012年2月5日(日) THE VOC@LOID M@STER 19
スペース D80
サークル名 白色手帖

http://blog.livedoor.jp/yotalog-vcq/archives/2341500.html
目次と表紙は現在上記リンク先で見ることができます。

カラー版はこちらです。きれいですよ。
ボカロクリティークVol.02

篠崎麻琴さん「一学生のボカロ雑感」

本稿の導入は、「部活で大会に行ったとき、私は一人の先輩からある曲を聴かされた。私は、その曲に一瞬で心を奪われた」というふうに、個人的な体験から描かれています。その初めての体験は「メルト」を、「あまりにもストレートな歌詞。突き抜けるサウンド。」いうことばで感じとったと説明されています。篠崎さんは語りのある文体で、 VOCALOID の発展を概観しながら、公立学校で「みんなでカラオケに行って、 VOCALOID 縛りで3時間歌い抜く」といった個人的な体験へと戻ってきます。
僕の感想を付け加えれば、今の一部の中高生たちがこのような体験を経ていることは、ピアプロや pixiv などの投稿者層を見れば簡単に想像することは簡単ですが、顕名の寄稿者が文章にして記すということには面白い説得力があります。

黒井心さん「ワンダフル・動画ライフ」

黒井さんの文章もまた、高校時代の記憶から導入されます。自分をまず「動画師」と位置づけ、その立場から動画ライフの記述を試みています。多くの読者の興味を引くのは動画のジャンル分けを行っている箇所、 VOCALOID PV の楽しみ方をあつかっている箇所だろうと思われます。とくに、動画の特徴的な形式と、それに用いられている技術の解説は具体的でわかりやすいと感じます。

石原茂和さん&南将貴(もろへいや)さん「 VOCALOID を喋りの研究ツールにしたい」

アカデミズムからの研究ツールとしてのアプローチを紹介していただいています。まず感性工学の研究者である石原茂和さんによるユーモアを交えた問題提起が、以降示される論文「発話の感性研究のためのワークベンチ」へのイントロダクションを行います。このイントロダクションは、個人的に、文体と構成がとても好きです。
論文では日本語の形態素解析を行い、適切なデータに変換して YAMAHA の NetVocaloid-FLEX という技術を用いて音声データを得る方法が書かれています。この技術が発話の感性研究に用いられうるようです。このような話はぜひ東京工業大に通う友人にも書いてほしいと思っています。

ねぎもちさん「ゲーム視点でみるボーカロイド

CGM とゲーム産業の関連的な発展について、ていねいに分類をしながら整理し考えていきます。ねぎもちさんには以前に電車の中で直接お話をお伺いしたことがあるのですが、ゲームを教養( Kanonひぐらし等)以上にはほとんどしない自分にとって、興味深い話でした。
商業ゲームと同人ゲームの可能性について触れていますが、特に「 MikuMikuDance for Unity 」による同人ゲームの可能性の項が面白い紹介になっていると思いました。

スワテイさん「 VOCALOID と歌うということ」

1ページのコラムです。「流行曲」のカバーに相当する「歌ってみた」について触れています。面白いと思うのは、やはりスワテイさんの個人的な体験について記述されている箇所です。「歌ってみた」動画は投稿したことはないものの、 VOCALOID オリジナル曲が好きでよく歌うスワテイさんは、カラオケ動画に合わせて歌っていたのが、「いつからか‘原曲’と共に歌うようになった」といいます。
面白いですよね。つづきは紙面で!

申し訳ありませんがまだ続きます。