フシギにステキな素早いヤバさ

フシギにステキな素早いヤバさを追いかけて。俺は行くだろう。

映画『ムーンライズ・キングダム』を見た(1)

新宿バルト9にて映画を見てきました。 『ムーンライズキングダム』というタイトルです。

ティム・アンダーソン監督『ムーンライズ・キングダム』魅力とあらすじを詳し

なぜ映画を見てきたか

ぼくはあんまり映画を見る習慣がありません。テレビもほとんど見ないし、DVDをレンタルする習慣もありません。

ところが親しい友人が最近よく映画を見ているようで、話を聞く限りかなり頻繁に見ているみたいです。

そこで「なにか面白い映画あった? 教えてよ」と尋ねたところ『ムーンライズ・キングダム』を紹介してくれたのでした。

タイトルの音が『ライオンキング』に似ているので、そういう話なのかと予想しながら行きましたがまったく違いました。

友人は何といったか

友人は考えたことを万年筆で手帳にサラサラと書くのが習慣になっていて、新宿のゴールデン街で飲みながら『ムーンライズ・キングダム』を見て考えたことを見せてくれました。

この友人のことがぼくは大好きで、昔手書きのノートをスキャンして保存したり交換ノート的なこともしていたのでした。久しぶりに会って手書きの文字を見るのは感激でした。

というのも、ちょっと堅めの文体でかつ右肩あがりの、ぼくには真似できない字体で書かれた横書きの文章は、内省的で「えっ、ふだんこんなに硬いことばで思索しているの?」とびっくりするような内容だからです。

ふだんはニコニコ笑っていて、優しくてステキな友人なのでギャップ萌え的なところがあるわけです。ここ理解してください。

この手帳に書かれたことによると、映画『ムーンライズ・キングダム』には「紙芝居」または「絵巻」のような空間が映像によって表現されているということなのです。どういうことでしょうか。

区切りを映しこむカメラが平行移動する

小さな頃に巨大な建築物などの構造を示すための「断面図」が描かれた絵本などを読んだことがある人はおおいでしょう。あまりに生真面目な本でなければ、大型客船などの図解では各部屋の仕切りごとに独特のシーンが並行して展開されているという表現はよく見られたかと思います。たとえば、けんかする夫婦や、トイレで座って新聞を読むひとや、口をあけて眠っているキャプテン…などなど。

われわれは絵本でその間仕切りがある個々の空間を一挙にみることができるわけですが、『ムーンライズ・キングダム』の演出では各部屋に対してカメラが平行移動し、連続的に映していくので、各々の部屋で起こっていることがあたかもその部屋内で完結しているかのような錯覚を生こさえるというのです。

ぼくの親愛なる友人はそういっていました。 そういったことを手帳に書いてあるという事実が面白い。

つづく。