フシギにステキな素早いヤバさ

フシギにステキな素早いヤバさを追いかけて。俺は行くだろう。

ロジカル・アート・スクール第1期の生徒を募集します

テキストとヴィジュアルが完全に一致している作品はおもしろくない。なぜなら、見る人になにも疑問を起こさせないからだ。すでに知っている情報を伝えられてもなんの得にはならない。

あなたに疑問を引き起こし、次に答えを与える。その答えに満足いかないあなたはさらなる疑問を持つ。するとまた答えを与えてくれる。その問いと答えとを繰り返しているあいだ、つねにあなたが見たことのないものを見せてくれ、きづけば知らない世界へ連れ去ってくれること。作品に要求されるのはそういう力だ。

会田誠の有名な作品「犬」シリーズのうち「雪」を取り上げてみよう。疑問は次々と浮かんでくる。(参考:犬 - にっぽにあにっぽん日本語&日本語言語文化

  • なぜ「犬」というタイトルなのか?
  • なぜ「少女」のイメージが描かれているのか?

    • なぜその少女は四肢切断されているのか?
    • なぜその少女は笑っているのか?
    • なぜその少女は全裸なのか?
  • なぜ雪だるまのイメージが描かれているのか?

しかし、見る人に「ここに描かれているのはダルマ。つまりpixivでよくある四肢切断をモチーフとしたエログロ表現のひとつにすぎない」と「分かった気」にさせてしまえば、もう関心を失い、作品を見続けることはない。

だから、きちんと疑問を起こさせるべきだ。たとえば「なぜこのようなモチーフを選んだのか?」と。そして次にその疑問にそれに答えなければならない。


あらゆる表現はかならずなんらかの形でロジカルな方法を用いて作られている。ロジックとは複数のものに共通性を見出し、ひとつの表現へと抽象化する思考のことである。したがって、ロジカルに思考し表現することで明確になる部分もあれば、同時に「共通」でない部分は捨て去られる。

ロジカル・アート・スクールは雑に定義されがちなこの「拾う」ことと「捨てる」ことの方法を学ぶことで、ロジカル=論理的なものとイロジカル=非論理的なものの境目を見出し、双方を面白い作品と世界を発見していく武器にしていくことを理念とする。

開校の動機

去年から今年にかけて開催された天才ハイスクール!!!!とゲンロンのポストスーパーフラット・アートスクールが楽しそうだったからです。

募集要項

募集人員

5人ぐらい。

資格

アートに関心があること以外は特にありませんが、作家、批評家、またはコレクターを優先的に募集します。

美術教育を受けていない方、中高生も大歓迎です。

期間

2015年6月21日(日)から2016年6月12日(日)までの1年間。毎週日曜日10時から12時くらいまで。

場所

東新宿または町屋など。

学費

3,300円/年(つまり非常に安い)

価格は美學校の100分の1ぐらいに設定しました。

連絡先

TwitterまたはE-mailを通して島袋八起 a.k.a. YA-Okey にコンタクトしてください。

Twitter: @yaoki_dokidoki

E-mail: yaokiyaoki★gmail.com(★をアットマークに置き換えてください)

メールには次を記載してください。

  • ロジカル・アート・スクールに参加したいという意思を明記してください。
  • 過去に作った作品、または書いた文章、または所有している作品を3つ選んで簡単に紹介してください。ご自身の作品が見られるウェブサイト等を教えていただいてもいいです。

講義の内容

バーバラ・ミント著『新版 考える技術・書く技術』(1999年、ダイヤモンド社)を教科書にロジカル・シンキングについて1-2ヶ月ほど教えます。本書はビジネスのコンサルタントのために書かれた本です。購入の必要はありませんが、この本を元にロジカルな思考をアートに適用するとどうなるかということをロジカル・アート・スクールの課題とします。

概要を学んだ後は、実際にアート作品を見たり制作や展示をしながら「ロジック」を作品の制作や批評、鑑賞に適用していく実践を行います。

結果的に得られるのは、作品に宿る「ロジカル」な部分とそうでない部分を区別できるようになることです。その結果、自分の制作・執筆にも戦略的にロジックとそうでないものを区別して取り入れることができるようになるでしょう。

世間では漠然と語られがちな「ロジック」について、それはピラミッド思考のことであると『考える技術・書く技術』では説明されています。その方法は明瞭な筋道によって学ぶことができます。

この機会にぜひ学び、日本のロジカル・アート・シーンを牽引していきませんか?

講師のプロフィール

アーティスト兼東新宿のカルチャーセンター。島袋八起 a.k.a. YA-Okey.

1984年、沖縄県生まれ沖縄育ち。沖縄県立開邦高校英語科を卒業後、上京し東京大学文学部言語学科日本語日本文学(国文)を専攻。

小中高大学時代に経験した音楽制作の知識をもとにJ-POPにおける歌詞研究をライフワークとし、主に音楽関連の批評活動を行っている。

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もっともリスペクトする現代の作家は川村元紀。

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最近もっとも面白かった展示は天才ハイスクール!!!!解散の「現物オーバードーズ」展。

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これを見て大いに衝撃を受け、仕事を辞めようとかスクールを始めようとか思って試行錯誤中。

2014年の5月にTARO賞の展示を見てアーティストになろうと決意。アーティストとしては『生活費ガチャプロジェクト』でお金にこだわるアーティストとして知られる。

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ART IS NOT ENOUGH | アートじゃ物足りない

コレクターでもあり、死霊のすがわら、ハタユキコ、あいそ桃か、門眞妙、すずま、笹山直規、杉本克哉、幸温望、中山いくみ、今井新、川村元紀、メロなどの作品を所有している。また、じゃぽにか、Houxo Queの作品を購入するため2年ぐらいの割賦で支払中。

そのため常に金に困窮している。