フシギにステキな素早いヤバさ

フシギにステキな素早いヤバさを追いかけて。俺は行くだろう。

Wikipediaの「音楽的統語法」から「SSIRH」の項を訳してみた

現在制作中の音楽批評系同人誌『フミカ』の記事の一環で勉強が必要なので、いろいろ調べながらとある論文を読んでいます。

内容は、音楽の構造把握と言語の構造把握が、脳における反応の部位を見る限りどうも同じ場所で行われているという話みたいです。

とりあえず、脳の部位(とくにブロードマンの脳地図)に関する術語がたくさん出てくるため、苦労しています。さらに、ググってもその解剖学的な用語の日本語訳がなかなか見つからないので、適当に補いながら読んでいます。

作業の中でどうしても「Shared Syntactic Integration Resource Hypothesis」という仮説についての理解が必要になったのですが、どんなにググっても日本語の解説が出てこないため、仕方なしに英語版のWikipediaを参照することにしたのです。

その過程で「音楽的統語法」(または音楽的文法)の該当箇所の私訳をしたため、ついでにこのブログにのせようと思いました。「音楽的統語法」の項目はぜひ日本語に誰か訳してほしいです。切望します。

注意点

以下を読む注意点としては、下記にご注意ください。

  • ぼくは認知科学、神経科学、医学、解剖学などについてまったく知識を持っていないこと

  • ググって自力であてはめた用語が多く、おそらく一般的な日本語には訳されてない(または一般的な定着した訳語がまだ存在していない)こと

  • そもそも科学的な論文を英語で読むことになれていないこと

  • 批判、修正があればぜひ教えてくださいyaoki_dokidoki

概要

SSIRH=「共有された統語的複合資源仮説」は、脳における音楽の統語的な処理と言語の統語的な処理が、脳にある「複合資源」=「統語的なものを処理するモジュール」を共有して利用しているかもしれない、という仮説である。

メモ

ひょっとすると、syntax は、「統語法」よりは「文法」と訳した方がいいのかもしれません。

modular の訳は難しいです。工学系の人にはモジュラーでもいいかもしれませんが、もっとすっきりとする日本語に訳したいところです。

「周波数逸脱から引き起こされるミスマッチ陰性電位phはLANと相互作用しなかった」と訳されているところは、自分でも意味がわかりません。おそらく「phMMN」の適切な訳語と、簡単な理解が必要でしょう。

参考にしたこと

dastardlyさんの音楽の脳科学に関する論文集 vol.33という記事も参考にさせていただきました。

私訳

SSIRH——最新の考え

低活性物質が活性化されている領域が言語と音楽の統語法の間にある重なり合いの関連でありうると考えられるようになるにつれて、これら(上記の)の理論たちは「共有された統語的複合資源仮説」を導いた。この重なり合いが存在するという強力な証拠は、音楽的=統語的な不規則性と言語的=統語的な不規則性が同時に出現するという研究からきている。彼らは、ERAN(早期右前頭葉陰性成分)とLAN(左前頭葉陰性成分。すなわち、言語的=統語論的不規則性によって引き起こされる事象関連電位)との間の相互作用を示した。引き起こされたLANは、不規則なことばと規則的な和音とが同時に示されたときよりも、不規則なことばと不規則な和音とが同時に示されたときにより減少した。この発見と反対に、周波数逸脱から引き起こされるミスマッチ陰性電位phはLANと相互作用しなかった。 これらの事実から、ERANは、統語的なプロセスに関係する神経的資源に依拠していると論理づけられる(Koelsch 2008)。さらに彼らはこの仮説に強力な証拠を与える。すなわち、音楽的な統語法の処理と言語的な統語法の処理との間には重なり合いがあり、したがって統語的活動(言語的な活動も音楽的な活動も)はモジュラー(ひとつの処理ユニットであるということかな?)だというのである。

原文

SSIRH – the leading concept

Overall these theories lead to the “shared syntactic integration resources hypothesis” as the areas from which low-activation items are activated could be the correlate to the overlap between linguistic and musical syntax. Strong evidence for the existence of this overlap comes from studies, in which music-syntactic and a linguistic-syntactic irregularities were presented simultaneously. They showed an interaction between the ERAN and the LAN (left anterior negativity;ERP which is elicited by linguistic-syntactic irregularities). The LAN elicited was reduced when an irregular word was presented simultaneously with an irregular chord compared to the condition when an irregular word was presented with a regular chord. Contrary to this finding the phMMN elicited by frequency deviants did not interact with the LAN.
From this facts it can be reasoned that the ERAN relies on neural resources related to syntactic processing (Koelsch 2008). Furthermore they give strong evidence for the thesis, that there is an overlap between the processing of musical and linguistic syntax and therefore that syntactic operations (musical as well as linguistic) are modular.

This page was last modified on 24 September 2012 at 02:08.(このページは2012年9月24日2時8分に最終更新されました。)

from Wikipedia, Musical syntax