『イメージの進行形』読書メモ/AKIBANOISE1.0〜ふぁっしょん展〜/DID
渡邉大輔さんの『イメージの進行形』についてかんたんにメモ。
(するつもりだったが。)
概要は下記の本が好き!Bookニュースで紹介されていた。
http://www.honzuki.jp/news/imagenology/
本書は、おそらく今年いろんな場所で取り上げられたり引用されるような、教養的な本になりそうな気がする。そのため、教養として読んでおきたいと思う次第。
DID
そもそも、この本が出るということについては、DIDというサイトの方からかねがね伺っていたような気がする。
DIDは、「ドウガネットレーベル」を自称しており、実際に動画をリリースしたり、Togetter的に「ドゥギャ」と名付けて動画文化に関するTwitterのまとめを作ったりしている集団だ。
イベントの際には、DIDについて渡邉さんが寄せた文章が載ったペーパーを配布していたり、また、下記のようにリリースとして渡邉大輔さんの講義を動画(m4vすなわちiPhoneやiPad向けの形式)&パワポデータのパッケージとして販売していたりする。ぼくの知人やTwitterのTL上では誰も彼らの活動について話題にしないので、少々寂しい思いをしている(だがぼくとてちゃんとフォローできているわけではない)。
http://didouga.net/release/digital/generated-cinema-seminar-012012/
AKIBANOISE1.0〜ふぁっしょん展〜
最近の活動では「AKIBA NOISE 1.0〜ふぁっしょん展〜」が大きなトピックに思った(なお、秋葉原にはファッションがないので、まずそれを立ち上げようという意味での「1.0」ということらしい)。
本展は「伍戒」さんが主催していたファッションとアートの展示会/イベントで、かな〜り刺激的な場だった。本展のメインであろう「ふぁっしょん」とは、伍戒さんによるでんぱ組.incの衣装展示(売ってはいない)。
でんぱ組.incグッズ販売がある一方で、今を(ぼくの心の中を)ときめく気鋭のアーティストあるいは絵描き(絵師)さんの集合展示会であった。
http://didouga.net/hihyou/akibanoise1-0ふぁっしょん展まとめ/
以下、かんたんに紹介しよう。
やすだゆうかちゃん
やすだゆうか([twitter:@90_yuukachan])ちゃんは、今風のキラ目キャラに破壊的でキッチュでポップな絵を描くアーティスト。一輪社さん、死霊のすがわらさん、小林さんとともにぼくが注目している方。
borutanext5
また、そこの展示でたまたま知ったborutanext5さんの絵もすごい良かった。
borutanext5さんは、ネット音楽レーベルであるマルチネレコーズの下記リリースにもグラフィックアートで関わっているようで、まさに今をときめいている方だと思う。しかも若いし伸びしろがたくさん。投資するならぜひ。
Maltine Records - [MARU-111] xyloid - Things Get Better EP
主催の伍戒さんは、そんな若いアーティストさんたちの活動を支援することに熱意をかけているみたいで、展示会場でそれをきいて本当に尊敬しました。 制作されている服もかなり面白く(カワイイ感ある)、愛情をかけて作っていたようだった。
さて、そのメンツの中で、DIDはAKIHABARA GYPSYという活動名?の展示と、最上もが([twitter:@mogatanpe])さんをモデルにした映像作品を展示していた。
正直、このAKIBA NOISE 1.0というイベントはとてもすばらしく、これを見に行っていない方はチートだといいたいぐらいである。
イメージの進行形
さて、当の『イメージの進行形』は想像していたよりも読むのにコストがかかりそうな本だ。なので、調べ物をしながら読んでいる。
以下、本当のメモ。
VPFとは
下記のような文脈で出てくるのだが、残念ながら本書の説明ではよく意味がわからなかった。とくに、この「仮想プリント料金」を配給会社が出すのか、映画館が出すのか、よく把握できなかった。
このままVPFが現状のスキームで導入されれば、とりわけ地方を中心に、百館単位の劇場が続々と閉館し、こうした単館系劇場が受け皿となっていた映画作品もまた、数百本単位で上映の途を断たれるという可能性も危惧されている。
そこで、本書の第一章注3でも挙げられていた下記サイトの説明を見るとわかりやすかった。細かい説明はぜひリンク先に飛んでください。
多少の差はあるが、概ね上記設備導入費の1/3を映画館が、2/3を配給会社が負担するという費用負担比率になっている。
感情資本と経験経済とは
このことばは下記の文脈で出てくる。ソーシャルメディアとの関連であるため、サブタイトルに「ソーシャル時代の映画と映像文化」と題している本書には重要そうなことばだと思った。
ソーシャルメディアがユーザ同士のあいだでかつてないほどの規模で組成する、膨大なひとびとの文化的コミュニケーションの諸相(「感情」「評判」「善意」「経験」などなど)それじたいをひとつの「資本」(財やサービス)として価値づけ流通させる新たな経済モデル(「感情資本」や「経験経済」など)がここ最近注目を浴びていることが、その具体的な現われだ。
(『イメージの進行形』、pp.30-31。太字強調は原文では傍点だった箇所)
31ページ全体でいっていることの含意は、このことばの意味がわからなければよく掬いとれないのではないかと思った。
感情資本
日本語ではあまり出てこなかったので、英語版のWikipediaを読んだ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Emotional_capital
そこでは次のように説明されている。
感情的資本は、
- 企業に対する消費者の忠誠心を測る「外在する感情資本」
- ビジネスにおいて働いている人たちのモチベーションやエンゲージメントや信用を測る「内在する感情資本」
とに分けられるらしい。前者の例ではApple社が挙げられていた。
経験経済
企業は、商品・サービスだけを提供するのではなく、顧客の心の中に作られる情緒や感性に根付いた経験を提供することで、より強いブランドを構築できます。ディズニー・ランドがその好例です。
また、下記のブログ記事を見る限り、スターバックスも例になるらしい。そういわれると直感的にわかる。