フシギにステキな素早いヤバさ

フシギにステキな素早いヤバさを追いかけて。俺は行くだろう。

【天才ハイスクール!!!! Genbutsu Over Dose 展】涌井智仁 “GOD SPEED YOU!!!!” 論

キタコレビル会場の入り口では屋内から屋外へと妙なパイプが出ていました。のちにこの作品から排出される排気ガスを外に逃がすためだったことを僕は知ることになります。

涌井智仁の "GOD SPEED YOU!!!!" は本展で一番面白いと思った作品です。ちなみにSORAの展示も一番面白かったです(一番がいっぱいあるときもあります。映画『けいおん!』OPの「いちばんいっぱい」でも「一番はひとつじゃない」といっています)。http://www.kasi-time.com/item-58126.html

なぜか? それは、自律した命のようなもの、温かさのようなものをこの作品に感じたからです。

本作はバイクと小さなディスプレイ、電光掲示板の組み合わせからなるインスタレーションでした。

なぜ自律した命のようなもの、温かさのようなものを感じたのか。それはバイクのエンジン音とライトの光を緩急つけてコントロールしており、十分に複雑な動作が実現されていたからです。インタラクティブではないが単純な反復でもない動作がまるで生命をもった生き物のようでした。

エンジン音と加速

映像の後半をご覧いただけるとわかるように、本作では無人のバイクが常時エンジンを回転させ続けており、時折まるで意志を持っているかのように加速と減速を繰り返します。ドドドドド……と聞きなれた単調なアイドリング音がしているうちに、無人のバイクが不意にエンジンをふかす。ちょっとだけふかす、ついで長いことふかす。

実はこの作品は会場の1階と2階にそれぞれ1台ずつバイクが設置されていました。涌井によると環境に反応したりしているわけではなく、人間とは関係なく2台同士でメッセージを送り合っているという設定なのだそうです。